「デトロイトで観光、どこに行こうか?」
この質問に対する私の回答の一番手は、Charles H. Wright Museum of African American History(チャールズ・H・ライト・アフリカ系アメリカ人歴史博物館)です(アメフト好きかつ予算制限なしであれば断然フォードフィールドでのデトロイト・ライオンズのサンデーナイトかマンデーナイトフットボールですが。詳しくはこちら)。ここでは、おそらく日本では触れることができないであろう黒人奴隷貿易の歴史やアメリカ社会におけるアフリカ系アメリカ人の処遇を学ぶことができます。
博物館の内部は、時系列に沿ってアフリカ系民族やアフリカ系アメリカ人の歴史が展示されています。人間の起源の話に始まり、アフリカ大陸の地形や気候、どのように黒人奴隷が捕まえられたか、誰がどのように黒人奴隷取引に関与したのか、どのような取引が行われていたのか、その後の奴隷解放、黒人差別撤廃運動、などが細かく説明されています。
特に衝撃的なのは、黒人奴隷が大西洋を奴隷船で渡る際の扱いについての展示です。ここは数ある展示のなかでも特に力が入っているなと感じられるポイントで、船内で奴隷たちが高さ50cmもないであろう棚に、鎖でつながれたまま横に並べられている姿が再現されています。あまりにも非人道的な扱いで、私はこれを見た瞬間に言葉を失いました。
ライト博物館は、行ってワイワイガヤガヤ楽しめる場所ではなく、その正反対のどんよりした後味が残るところですが、1943年にはDetroit Riotsと呼ばれる黒人と白人の対立に端を発した大暴動が発生し、現在でも多くの黒人が住むデトロイトという街らしい場所と言えますし、日本に住んでいたら知ることがないであろう黒人がこれまでに歩んできた厳しい歴史を目の当たりにできる博物館として大変おすすめです。
入場料は大人$15で、駐車場はライト博物館の隣にあるDetroit Institute of Artと共用のものがあり、John R Streetに面したところに入口があります(ストリートパーキングのスペースもありますが、デトロイトのミッドタウンは治安が良くないと言われておりますのでお勧めできません。)。駐車料金は$7です。月曜日が定休日で、火曜から日曜日が開館日です。
展示品は撮影禁止のため文章のみの説明となりましたが、少しでもご参考になれば嬉しいです。
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