私はミシガンでの生活において、ほとんど毎日、通勤や買い物、保育園への送り迎えなどのために車を運転してきました。その経験を踏まえ、アメリカで車を運転する際に留意・注意すべきことをまとめてみましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
右側通行
まずはこれ、「右側通行」です笑
当たり前かと思われるかもしれませんが、右側通行ということは左折する際に対向車線を横切ることになりますし、右折して車線に合流する場合はまず左側から車が来ていないかを確認する必要があります。また、中央分離帯や中央線がない場合は道路の右側を走る必要があります。
慣れるまでは、無意識のうちに左側通行前提の動作が出てしまうので要注意です。
速度がマイル表記
アメリカでは速さの単位としてマイル(mile)が使われています。1マイル≒1.6kmなので、ハイウェイでよくある最高時速70マイルという標識は最高時速約110kmということになります。マイル表記であることにより、キロ表記に比べて小さく、スピードが遅いと錯覚しがちですが、時速「50」マイルでもキロでいえば時速「80」キロになるので十分速いです。
一方で、残りの距離に関しても、マイル表記の場合は数字が小さくなるので近く感じがちではありますが、実際には思った以上に到着に時間がかかるはずです。

赤信号でも原則として右折はしても良い
日本では赤信号の場合は「とまれ」ですが、アメリカでは、「No Turn On Red」という標識がない限りは、赤信号の間も右折をすることができます。「No Turn On Red」の標識がないにもかかわらず、赤信号時に右ウインカーを出しながら停止線で停まっていると後続車からクラクションを鳴らされることもあります。
「No Turn On Red」標識は、主に交通量の多い交差点や、歩行者が多い街中の交差点などに設置されています。
ハイウェイの運転では真ん中の車線が無難
右側通行なので一番右が最も遅い車の車線、一番左が追越車線、という棲み分けが基本ですが、運転に自信がない方が一番右の車線をずっと走るのはあまりおすすめできません。
なぜなら、一番右側の車線は合流や分岐の際に他の道路から車線変更をしてくる車が多く、一定のペースで走りにくいからです。アメリカのハイウェイは約1マイル(約1.6km)ごとに出口・入口があり、車の出入りが激しいです。また、大型のトラックが多く走っており、こうした車は加速が遅いうえに全長が長いため、合流のタイミング次第では横から押し出されそうになってしまうことがあります。
三車線以上ある場合は、真ん中の車線を淡々と走るのがおすすめです。
大型トラックの動きに要注意
一つ前の点と少し関連しますが、アメリカでは日本ではお目にかかれないサイズのトラックがあちこちを走っています。

大型トラックのドライバーさんは、相当な長距離を走っている場合もあり、決して運転がうまかったり注意力が高かったりするとは限りません。カーブでは平気で車線をはみ出していたり、合流のときに道を譲ってくれなかったりする場合もあります。大きなトラックの近くを走り続けるのは避けましょう。
ハイウェイにはレストエリアが所々にある
アメリカには日本のサービスエリアのような立派な施設はありませんが、トイレや自動販売機を備えた「レストエリア」という施設が所々に存在します(州境を超えたすぐのところに「ウェルカムセンター」というレストエリア同様の施設が存在することもあります)。もっとも、間隔が100マイル(約160km)以上離れていることもありますので、頻繁に使えるわけではありません。
次のレストエリアまで距離があるときにトイレに行きたくなった場合は、一旦ハイウェイを下りて、ガソリンスタンドやファストフード店などでトイレを借りるという手段があります。ガソリンスタンドにはほとんどの場合で日本のコンビニのような施設が併設されており、そこにトイレがあります。ハイウェイの案内板にガソリンスタンドの有無が掲示されていることがありますので、それを手掛かりに探すことができます。

サンキューハザードはしない
日本では合流時に譲ってもらった際にハザードで感謝の意を示すことがありますが、アメリカではそのような慣習はありません。感謝の意を示すには、譲ってもらった際にアイコンタクトをしたり軽く手を挙げて”Thanks”的なことを(口パクで)言えば十分です。
HOVレーンに注意
ミシガン州内では見たことがありませんが、都会に行くとハイウェイに「HOV」レーンなるものが出現します。HOVとは、High Occupancy Vehcleの略で、これは混雑緩和を目的として設置されている車線で、一定の乗車人数以上(例えば2人以上)の車両のみがこのレーンを走行できます。HOVレーンの存在を認識したら所定の人数が乗っているかどうか確認してください。
動物の死骸やパンクしたタイヤに注意
道路脇に限らず、道路の中央にもシカやリスなどの動物の死骸(車に轢かれてしまったもの)やパンクしたタイヤの残骸が散らばっていることがあります。避けられるときは余裕をもって車線変更したりかわしたりすればよいですが、急ハンドルもそれはそれで危険なので、スピードや少し先の道路状況には常に気を払いましょう。タイヤの残骸は結構な重量があるので危険です。
道路には基本的に電灯がなく、夜は真っ暗
ハイウェイに限った話ではありませんが、アメリカでは基本的に道路脇に電灯・街灯がないため、夜は真っ暗になってしまいます。車のライトによって車線や標識は反射して光りますが、あまり遠くまでは見通すことができなくなるため、スピードの出し過ぎには注意が必要です。夜+雨だと、車線のラインもわからなくなるので、より一層の注意が求められます。できる限り明るい時間に目的地に到着できるような予定の組むのが無難です。
駐車ロットが広く、駐車は楽
これは地域差があるかもしれませんが、ミシガン州のような田舎では基本的に駐車場のロットは非常に広く、全幅2メートルを超えるようなピックアップトラックやSUVでも収まるサイズで作られていますので、一般的な日本車であれば駐車ロットの狭さで苦労することはないはずです。
アメリカ人全員が前向き駐車をするわけではない
確かに、アメリカでの多数派は前向き駐車ですが、日本のように後ろ向きに切り替えて駐車をする人もいます。スーパーの駐車場では、会計を済ませた後、店内からそのままカートで駐車した車の近くまで行き、ラゲッジに荷物を積み込むことから前向き駐車が多いのかなと思いますが、出やすいのは圧倒的に後ろ向き駐車なので、私は日本にいた時と同じように後ろ向きで駐車することも多いです。
駐車中の車内に荷物を残さない
これで最後になりますが、車上荒らしの標的にならないために、駐車中の車内に荷物を残さないようにしましょう。どうしても車内に物を置いて行く場合には、外からは見えない場所に隠したり、トランクに入れたりしましょう(トランクに荷物を隠しているところを悪い人に見られてしまうかもしれませんので、できる限り安全そうなところで積み替えをしましょう)。
皆様がアメリカで安全かつ快適なドライブを楽しめることを祈っております。
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