2025年5月29日から6月1日にかけてウィスコンシン州エリンにあるエリンヒルズゴルフクラブにおいて開催された第80回US Women’s Open(全米女子オープン)の3日目を現地観戦してきましたので、その感想などを書きます!

行きはミシガンからエリンヒルズがあるウィスコンシンまで遥々5時間以上運転し、帰りはLake Expressというミシガン湖横断フェリーを使いました(フェリーについては別記事で紹介します)。
エリンヒルズの印象
エリンヒルズに足を踏み入れて感じた第一印象は「風が強くて起伏が激しい」ということでした。イギリスやアイルランドの本場のリンクスコースには行ったことがないのですが、開けた土地に風を遮るものが一切なく、所々にフェスキューが生い茂っていてバンカーも多い、という点は、アメリカというよりはイギリス風のコースだなと思いました。

「フェスキューレスキュー」という何とも洒落た名前のカクテルもありました。

女子ゴルフ最高峰の大会
全米女子オープンは優勝賞金が240万ドルで、名誉も金銭面でも最高の大会です。
一方で、(今年、私が行った男子の大会がいずれもビッグトーナメントだったこともありますが)女子ゴルフ界における最高の大会と言われる全米女子オープンといえども、それらに比べるとギャラリーの数はそこまで多くはなく、のびのびと観戦できました。
3日目で一番注目を集めていたであろう西郷真央、ネリー・コルダ、渋野日向子の最終組はさすがに大勢のギャラリーがいましたが、それ以外の組は大概しっかりプレーを見ることができました。3日目は1番と10番からの2Wayスタートだった影響があるのかもしれませんが。日本人選手も多くが予選を通過して決勝ラウンドに進んでおり、嬉しく思うとともに尊敬します。

エリンヒルズに隣接したところに設けられた一般駐車場(7145 County Road O, Hartford, WI 53027)に入る際も、プレイヤーズ選手権の時は1時間以上待ちましたが、今回はほとんど待ち時間なく駐車することができました。

ジュニア向けの体験施設が充実
今回は3歳の息子を連れて行ったのですが、マスターズやPGAチャンピオンシップに比べて、ジュニア向けの施設やサービスが充実しているなという印象を受けました。
全米女子オープンはUSGA主催の大会で、単なる興行に留まらずゴルフの普及・発展といったプロゴルフイベントの枠を超えた目的もあるのだろうと理解しておりますが、エリンヒルズの大変起伏の激しい練習用グリーンの一部がジュニアのパター体験用スペースに割かれていました。そして、3歳児にもちょうどよい長さのパターが用意されており、妻はとても感銘を受けていました。パター体験後にはハットやタオル等のなかから一つお土産をもらうこともできました。
他にも、18番ホール脇にあるUSGAパビリオンにて、小さな子供にも大昔のパターを打たせてもらえたり、トラックマンを使ったシミュレーションゴルフにも挑戦させてもらえたりしました。
印象深いホール:9番 139yds Par3
すべてのホールは回り切れなかったのですが、今回最も印象に残ったのは9番(139yds Par3)です。「ウィスコンシンで最も短いPar5」との異名もあるらしく、距離は短いものの物凄い打ち下ろしかつ砲台グリーン周りはバンカーだらけ、さらにグリーンの右側は外に向かって急傾斜になっておりボールが止まらないという仕様になっています。

このホールは比較的入場ゲートに近いことや周りが丘になっていて見やすいことから、多くのギャラリーで賑わっていました。
America’s Dairyland:ウィスコンシン州
ウィスコンシン州の車のナンバープレートには”America’s Dairyland”と書かれています。Dairyとは「乳製品」という意味で、Dairylandは「酪農地帯」を指しており、ウィスコンシンはアメリカ随一の酪農地帯であることに誇りを持っているようです。実際、エリンヒルズへ向かう道中、道の両側に牧場が広がっている場所もありました。
私は、2023年冬にランボーフィールドでNFL観戦をするためにグリーンベイを訪れて以来のウィスコンシン遠征だったのですが、改めてウィスコンシンは良い場所だなと実感しました。
まず、地ビールの種類が豊富で楽しいです。MLBにミルウォーキー・ブリュワーズというチームがありますが、「ブリュワーズ」というだけあってミルウォーキーにはブリュワリーがたくさんあり、ウィスコンシンのスーパーなどで色々なビールを買うことができます。Miller Liteで有名なMiller Breweryもミルウォーキー発祥です。
エリンヒルズでも大会特製のビールが販売されていました。これは買わざるを得ません(その場で開栓されるのでお土産として持ち帰ることはできませんが)。

また、地元の方がとても親切です。宿泊したホテルのレストランでは、ビールの試飲なのにコップ一杯分注いでもらったり、6ozのワインを頼んだのに8ozくらい入れてくれたり、ペットボトルの水を無料でサービスしてくれたり、エリンヒルズでは妻がスマートフォンをコース内のどこかに落として紛失してもLost&Foundまで届けてくれたり、などなど多くの人の親切心に助けられました。
名産品や人の温かさから考えると、「ウィスコンシン=アメリカ版の北海道」という理解で間違いないと思います。
まとめ
全米女子オープンを観戦した感想や開催地であるウィスコンシンについて書きました。次はいつエリンヒルズが開催場所となるかわかりませんが、卓越したトップ選手らの大会を行うにはとても良いゴルフ場だと思いました(アマチュアにとっては絶望的に難しそうです…)。

今回は、アメリカらしからぬ過酷な自然環境のコースと親切な方々に触れ合うことができた良い観戦旅行となりました。
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