12月3日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)にミシガン大学フットボールのリクルーティング(新入生勧誘)に関して興味深い記事が掲載されていたので、その紹介をしたいと思います。
参照元の記事はこちら。
全米No.1高校生QBの獲得にオラクル共同創業者の支援
ミシガン大学フットボールが5勝5敗と苦しんでいた11月21日、大ニュースが飛び込んできました。
全米の高校生でNo.1と評価されたQBのBryce Underwood(ブライス・アンダーウッド)が、LSUへの進学を撤回し、ミシガン大学に入学することを発表しました。2024年シーズンを通じてQBのパフォーマンスが安定せずに苦しいシーズンを過ごしたミシガン大学にとって、これ以上ない補強となりました。
このフリップの裏側についてWSJが取り上げていました。
本記事によれば、アンダーウッドの獲得に関して、オラクルの共同創業者であるLarry Ellison(ラリー・エリソン)による多額の支援があったというのです。
エリソンとミシガン大学の縁
エリソンは、オラクルという1977年創業のデータベース管理システム を中心とした企業向けソフトウェアの開発・販売を行っている会社の共同創業者で、世界で4番目の大富豪という人物です。オラクルはF1のレッドブル・レーシングのスポンサーとしても有名です。
エリソンはミシガン大学の卒業生ではなく(イリノイ大学とシカゴ大学に入学したものの、両校とも卒業はしなかったようです)、これまでにミシガン大学との関係性はなかったようなのですが、そんな彼がミシガン大学フットボールに多額の寄付を行った背景には、妻のJolin(ジョリン)の存在があったようなのです。
エリソンが4人目の妻と離婚してから10年以上経過した頃、彼はジョリンと再婚しました。しかし再婚相手のジョリンは公の場には姿を現していませんでした。
しかし、この度WSJは調査によってその再婚相手であるジョリンの正体が、33歳のミシガン大学卒業生であるKeren Zhu(ケレン・スー)であると突き止めました。なお、エリソン及びジョリン並びオラクルの担当者はノーコメントという対応のようです。
アンダーウッドに対しては合計でMを超えるNIL収入のオファー
アンダーウッドがLSUからミシガン大学へと進路を変更した背景には、巨額のNIL(Name, Image and Likeness)やミシガン大学OBでNFLレジェンドのTom Brady(トム・ブレイディ)の存在があったようなのです。
NILとは、選手の肖像権を利用したビジネスで、以前に別の記事で学生アスリートのNILやレベニューシェアリングを巡る裁判の進捗状況を紹介しました。
アンダーウッドに対しては、LSUからは1シーズンあたり$1.5M($1=\150で換算すると2億2500万円)というオファーがあったようなのですが、ミシガン大学はそれを大きく上回る総額$15M(≒22億5000万円)という金額を提示したようなのです(なお、この金額はミシガン大学でのキャリアを通じての合計額なので、1シーズンあたりの金額にすると$3.75M~$5Mになります)。
この巨額オファーに加えて、ミシガン大学OBでGOAT(Greatest Of All Time)のブレイディからアンダーウッドに対して、週に3~4回のFaceTimeのコールで攻勢がかけられました。
こうした働きかけの結果、ミシガン州出身のアンダーウッドは地元大学に加わることを決断したのでした。
ちなみに、ミシガン大学の最大のライバルであるオハイオ州立大学の2024年シーズンのロースターは、総額で$20M(≒30億円)を手にしたようです。今後も両校をはじめとして強豪校によるNILディールの相場はどんどん上がっていくことでしょう。
2025年シーズン、アンダーウッドがTrue Freshmanとして8月30日のニューメキシコ大学戦の先発を担うのでしょうか!(翌週のアウェイでのオクラホマ大学戦も楽しみです!)
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