フランク・ロイド・ライト スミスハウス

アメリカ生活

アメリカの名建築家であるフランク・ロイド・ライトがデザインした家がミシガン州ブルームフィールドタウンシップにあります。それは公立学校の教師をしていたサラ・ステイン・スミスとメルビン・マクスウェル・スミス夫妻の家であり、スミスハウス(住所:5045 Ponvalley Road, Bloomfield Township, Michigan 48302)と呼ばれています。アナーバーからは車で約1時間の場所です。

この家は、ライトのアメリカ中流家庭向けの理想的な家を追求したユーソニアン(Usonian)住宅の優れた例として認識されています。

今回、スミスハウスの内部を巡るツアーに参加してきましたので、その様子を紹介します。建築について全く専門知識はありませんので、単なる素人の感想として受け取ってください。

こちらは道路側から見たスミスハウス。ガイドの方曰く、外観の4つの特徴は、①水平を強調、②キーウィンドウ(高い位置にあるギザギザした形の窓)、③玄関が正面から見えない、④レンガと木材で作られている、ということだそうです。

スミスハウスの内部見学ツアー

スミスハウスの中には見学ツアー(所要時間は約1時間)でのみ入ることができ、一般的に公開されているものではありません。ツアーは5月第1週目の週末から11月最終週の週末の間で、金曜日から日曜日の3日間のみ開催されています。冬季は開催されません。スミスハウスには空調設備がなく、真夏などは室内がかなり暑くなる場合があるようなので、当日の天気・気温に応じた格好をしていく必要があります。

ツアー開始時間は基本的に13時ですが、土曜日のみ11時開始の回があります。早々に枠が埋まってしまう日もありますので、日程が決まり次第直ちに予約をすることをおすすめします。

料金は大人が$35で、学生は$20です。残念ながら8歳以下の子供はツアーに参加することができません。建物の保護のため、小さな手荷物以外は持込禁止となっています。

スミスハウスの中はどのようになっている?

スミスハウスの間取りは↓のようになっています。ユーソニアンハウスはL字型になっていることが特徴で、左側のリビングルーム部分と右側のベッドルームなどの居住スペース部分から構成されています。

ツアーの冒頭に、ガイドの方からの説明を参加者一同がリビングルームのカウチソファに座って聞くのですが、そのときに印象的だったのが天井の高さの使い分けについてでした。ざっくり言うと、人が集まって会話をする場所は親密になるように天井を低くし、反対にダンスや音楽などを楽しむ場所は解放感をもたせるために天井を高くする、という設計になっているようです。

キーウィンドウ(鍵のようなギザギザした窓であることからこのように呼ばれるようです)の上と下とで天井の高さが違うことがわかるでしょうか。カウチソファの上の天井は低く(2メートルくらいでしょうか)、リビングルームの窓側の天井はそれよりもかなり高く作られています。これにより、同じリビングルームの中でも雰囲気が異なる空間が作られています。

背の高い人であれば天井に頭をぶつけてしまうくらいの高さです。
リビングルームの一面は全面ガラス窓となっており、窓の外には池や芝生の庭が広がっていて、とてもリラックスできる景色です。日本でリビングの窓からこのような景色を見られるようにするためには相当な財力が必要でしょうね…(とてもではないですが中流家庭でこんな空間は作れないでしょう…)。

ダイニングのスペースも、カウチソファの場所と同様に、団らんしやすいように低い天井になっています。

リビングルームの角は、木の柱ではなく、ガラスを2枚組み合わせて作られています。これにより、家の外と内の境界がわかりにくくなり、部屋が広く感じられます。

他には、書斎やライブラリー、バスルームや寝室などがあります。

現代ではパソコンがあるので、壁に備え付けられた棚の一番下はモニターと干渉してしまうなぁ、と思いました。
ライブラリー部屋。この部屋は天窓になっていて、キーウィンドウと合わせて自然の光で十分な明るさになっていました。

今回は、日本に帰った後の住宅選びや設計において何か参考になればと思い、名建築家といわれるフランク・ロイド・ライトが設計したユーソニアンハウスの見学に行ってきました。敷地の広さや環境はアメリカならではのもので到底真似はできませんが、水平基調のデザインや天井の工夫、光の取り入れ方など、素人でも素敵で真似したいなと思える点がいくつもありました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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